はじめに「色をのせる前」
セルフネイルを始めるとき、目の前にたくさんの特別な道具が並んでいると、どれを選べばいいのか少し迷ってしまうかもしれません。
プロが使うような高価なものや、専用の道具をすべて揃えなければいけないと思われがちですが、実は大切なのは道具の値段ではなく、「どれだけ綺麗な状態で作業ができるか」、そして「いかに爪に負担をかけないか」というごくシンプルなことです。
ここでは、私が普段の手入れや色をのせる時間に、いつも手元に置いている基本的な道具たちと、「なぜこれを選んでいるのか」という私なりの小さな基準を静かに書き留めておきます。
迷ったときの、ひとつの目印になれば幸いです。
地爪の形を、優しく整えるもの
・ピーシャイン エメリーボード(茶)
爪の形を整えるとき、ガラス製や金属製の硬いやすりを選びたくなりますが、慣れないうちにそれらを使うと、爪に余計な振動や負担を与えてしまうことがあります。
私が自爪のケアでずっと信頼して使い続けているのは、薄い板で作られたこのやすりです。
削る道具のスペシャリストであるメーカーが作ったこの1本には、絶妙な「しなり」があります。一見柔らかくて頼りなく感じるかもしれませんが、そのしなりこそが爪への衝撃をそっと逃がし、滑らかなカーブを作るための鍵になってくれます。
ゆっくりと、1回動かすたびに確かめながら、道具の力を信じて優しく当ててみてください。
爪の輪郭を、そっと整えるもの
・ 市販の医療用ガーゼ
甘皮を深く処理することは本来とても高い技術が必要で、セルフネイルでは無理に触ると爪を傷つけてしまうこともあります。
だから、セルフでは〝整える〟ところまでで充分。それだけで見違えるほど印象はパッと変わります。
そのために使うのが、特別な器具ではなく、どこでも手に入る普通のガーゼです。
使い方はとてもシンプル。押す力はまったく必要ありません。
お湯で指先が柔らかくなっていれば、ガーゼの細かな網目が、自然と爪の表面の薄皮を優しく絡めとってくれます。
ガーゼを指先に巻いてお湯で少し湿らせ、爪の輪郭にそって、くるくると円を描きながら滑るように整えるだけ。
ガーゼの厚みを変えたり、使う場所を少しずつずらしたりしながら、道具の柔らかさに身を委ねてみてください。
爪の表面の、脂をそっと取り除くもの
・消毒用エタノール(小容量ボトル)
お気に入りの色を塗る前に、どうしても省けない大切な工程があります。それが、爪の表面にある目に見えない油分を取り除くことです。
ネイル用品店には専用の液体も並んでいますが、私は身近な「消毒用エタノール」を好んで使っています。爪のしつこい脂をすっきりと引き算してくれる役割は、どちらも同じだからです。
選ぶときの小さな基準は、できるだけ小さなボトルを選ぶこと。アルコールは気化しやすいため、たまにしかネイルをしない方なら、小さなボトルのほうが最後まで心地よい状態で使い切ることができます。
指先を常に清らかに保つもの
市販のキッチンペーパー
・スコッティ ファイン 3倍巻き キッチンタオル 150カット 2ロール キッチンペーパー まとめ買い
爪を拭くとき、ふわふわとしたコットンを思い浮かべる方が多いかもしれません。ですが、コットンは爪の表面に細かな繊維を残してしまいやすく、それが仕上がりを損ねる原因になることがあります。
そこで私が隣に置いているのが、キッチンにあるペーパーです。ハサミで使いやすい大きさにまとめてカットして、いつでも使えるようにストックしています。
毛羽立ちがないのはもちろん、手軽に用意できるからこそ、「もったいない」とためらうことなく、1本拭くたびに常に新しい綺麗な面へと贅沢に変えることができます。この「潔さ」が、結果として仕上がりを一番美しく支えてくれるのです。
さきほどのエタノールをたっぷり含ませて、爪の表面を「キュッキュッ」と音がするくらい優しく拭き取ってから、色をのせる時間を始めてみてください。
おわりに
道具を選ぶことは、これからの自分の時間をどう過ごしたいかを選ぶこと、でもあると思っています。
動画で見かけるプロのようなスピードを真似する必要はありません。セルフネイルは、誰のためでもないご自身の時間です。
まずは手元に馴染む、小さなお気に入りからひとつずつ、揃えてみてくださいね。

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